この本を読みました。
著作権法がソーシャルメディアを殺す (PHP新書)
内容を自分なりにまとめるとこんな感じ。
- 日本では、著作権法改正には文化審議会の著作権分科会の委員の意見で決まる。
その委員の過半数は権利者の代表が占めている。
文化庁など官僚も権利者保護に偏っている。
時代の流れに逆行してどんどん難解になっている。 - アメリカではフェアユースの考え方。
「公共の福祉。国民の大半が恩恵を受けるなら認める」という考え方。
アメリカでは「違法投稿の存在を知らなくて、通知を受けたら削除すれば免責」。
そういった判決が出ている。
日本では「通常の注意を払っていれば知ることができたと考えられる場合はアウト」。 - 著作権法をどうにかしないと日本はネットビジネスで負け続ける。
これまでの例。検索エンジン。
P2P。Winny、ビットトレント。
番組のネット配信。ロケフリ。日本では個人が録画した番組をネットを通じて見るのがアウト。
アメリカではネットフリックスやHulu。 - 世界の流れはオプトインからオプトアウトへ。
オプトインは事前に許可をとる。
オプトアウトは問題が生じてから事後に対応する。
アメリカだけでなく、ヨーロッパ、中国、オーストラリア、カナダ、などでも著作権法改革が進んでいる。 - TPP。
アメリカは自国内ではフェアユースだけど他国に対しては権利保護を認めろという国。 - 提案1。日本もフェアユースを導入すべき。
フェアユースは必要条件であって十分条件ではない。
初音ミクとかくまモン。権利より知名度。ユーザの創作権を認めて新しいビジネスを起こす。 - 提案2。個人としてはどうすべきか。
ネットの発達によって政治家はみんなの声に耳を傾けざるを得なくなっている。
ソーシャルメディアでも直接政治家に言うのでも声を上げましょう。
訴訟リスクはあるけどオプトアウトでやろうとは言えないですよね。
でも、日本の著作権法が変わるのを待ってたら勝負ついてしまうんじゃないかというのが怖いです。