6巻は、山崎の合戦。
たとえ兵力に劣ったとて一ト月も持ちこたえれば良い諸勢力が敵の背後を衝く手筈
諸勢力とは毛利や長宗我部ですが、明智の味方というわけではなく、織田の敵というだけなので、一月持ちこたえるとどうなるかな。
羽柴隊の背後を衝いたとして、羽柴が簡単にやられると次は明智がやられるので、羽柴と明智が休戦することなるかな。
毛利や長宗我部としては明智と羽柴が共倒れになるのが理想的なので、明智が負けそうなら羽柴の背後を衝くだろうし、明智が善戦すればすぐには羽柴の背後を衝かないでしょうね。
羽柴としては、毛利や長宗我部が自分の都合で好きな時に攻められるというのは最悪の展開なので、短期決戦で明智を倒して毛利と長宗我部に備えないといけないと。
で、仙石隊が淡路島を押さえたので、長宗我部は足止めできる目処がたって、毛利も静観の構えということで、羽柴隊は長期戦になっても対応できるようになったと。
そういう意味では仙石隊は重要な役目を果たしたということなんでしょうね。
戦国の世より新しき国を創らねばならぬ故に正当性は欠くべからず我は理想ゆえに織田信長を討ったそれを失わば我はただの獣さらば織田信長はただの獣に喰われたことになる
明智光秀は下克上したわけで、さすがに大義名分をきっちりしておかないと周り全部が敵ってことになってしまうので、採用できない手段があると。
しかし羽柴の方も弱みはあって
- 毛利と長宗我部をおさえておかないといけない
- 総大将を信孝から任されないといけない
- 民からは信長ほど神格化されていない
- 周りは信長の部下であって秀吉の部下ばかりでない
羽柴の方も簡単に勝てるわけではなくて、かなり綱渡りですね。
兵力で勝り褒賞も望みのままというに何故死ぬ気で戦わん‥‥織田信長を討った明智勢の自負は余りにも強大で織田信長を討った明智光秀を羽柴勢は余りにも畏れておるのか――‥‥思やあ直に上様の恩義で動くのは重臣のみじゃ‥‥‥‥ワシのために本気で戦うモンなぞおらんじゃろうに
「秀吉のために本気で戦う」というのは、この後秀吉が統一を進めていくときにずっとつきまとった話かもしれませんね。
四国九州、徳川、北条、東北と常に相手よりかなりの大兵力を用意して、なるべく実際に戦わずに降伏させるというパタンが多かったような。
「秀吉のために本気で戦えるか」というより「相手より兵力が多くて勝ち戦なのに死んだらアホらしい」という話なのかもしれませんが。
汝も一隊の将調略に依らず励めいっ
自分も体を動かせ、先頭に立って戦え、ということですかね。
総大将がという話もありますが。
信孝・羽柴軍四万、明智軍一万六千。
うち秀吉本隊が二万、光秀本隊五千なので、双方本隊を動かさなければ二万対一万一千ということですね。
ここで羽柴本隊が動くことで形勢がひっくり返るのか、光秀の方には殺し間という策がまだ残っているけどどうなるのか、翡翠隊が残ってるけど何か役に立つことになるのか、って感じですかね。
最後のところ「木下隊ッ進めぇぇっ」となってますが、木下?
羽柴では?
「あの頃ぁ良かったのう‥‥」の頃を思い出して木下隊なのかな。
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